第二話

10/16

113人が本棚に入れています
本棚に追加
/95ページ
*** 「……い。あー……い……ちょっと、(あい)ってば!」 「ん?」  耳元で自分の名前を叫ばれ、鼓膜がビリリッと痛むのを感じて顔を上げると、幼馴染の江川(えがわ) 明日香(あすか)がいた。  自分が教室に着いた時には、まだ誰も居なかったので、借りてきた本を読んでいたのだが、いつの間にか夢中になっていたらしい。 「もぉ~。一緒に登校しようと思って、藍んちに行ったら、誰もいないし。教室入ってから何度も呼んでるのに気が付かないしさぁ……」  頬を膨らませて文句を言う彼女は、スクールバッグを置いて隣の席に腰掛ける。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加