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「……い。あー……い……ちょっと、藍ってば!」
「ん?」
耳元で自分の名前を叫ばれ、鼓膜がビリリッと痛むのを感じて顔を上げると、幼馴染の江川 明日香がいた。
自分が教室に着いた時には、まだ誰も居なかったので、借りてきた本を読んでいたのだが、いつの間にか夢中になっていたらしい。
「もぉ~。一緒に登校しようと思って、藍んちに行ったら、誰もいないし。教室入ってから何度も呼んでるのに気が付かないしさぁ……」
頬を膨らませて文句を言う彼女は、スクールバッグを置いて隣の席に腰掛ける。
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