第四話

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 キューッ  カッカッカっ  キュッキュッキィィィィィッ  背筋が疼くような不快な音で目が覚めると、硬い椅子に座らされていた。 体に妙な締め付けを感じる。 試しに腕を動かそうとするが、ビクともしなかった。 「椅子に縛られてる……ってか、アタシなんで……あっ」  ジンジンと痛む膝と、首の後ろから広がる微かな痺れによって全てを思い出した。 「背後から誰かにスタンガンで襲われたんだ……」  首を(さす)りたくても摩れないもどかしさと、何者かに拉致(らち)られた怒りで唇を噛みしめた。
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