第四話

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 彼女の両親は、父は医者。  母親は看護師。  小さな頃から忙しさを理由に放置気味で育てられていた彼女。  世間体だけは気にする両親によって、地元から5駅ほど離れた場所にある塾に、ほぼ毎日、夜遅くまで通っている。  最寄り駅から自宅までは、人気のない暗くて細い道を歩くのだが、通い慣れているせいか、警戒心の欠片もなくなっていた。  今日もいつも通り塾を終えて、質問や雑談等をしていたら、あっという間に時間が過ぎ、地元の駅に到着したのは23時を回っていた。  急いで家に向かって走ったのだが――その途中、何かに躓き、前に倒れるようにして転んだところを、背後からスタンガンで気絶させられたのだ。
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