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「なに……その声」
ヘリウムガスを吸い込んだような甲高いダックスボイスは、イベントやパーティーなんかでは盛り上がる。
ただし、誰も居ない夜の校舎で響けば、コミカルな声もホラーでしかない。
声が聞こえた教室の前方へと顔を向けると、教卓の後ろに隠れていたのか、いきなり人影が現れた。
「ヒッ」
「みてみて。コレ、オネーチャンをかいたんだよ」
悲鳴を上げた彼女に向かって、黒板をバンバンと激しく叩き、嬉々とした声をあげる誰か。
暗くて輪郭程度しかわからないが、ウェーブのかかった長い髪をした女のようだった。
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