第四話

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 ただ、やけに幼い口調と動作とは対照的に、身長は一般成人女性よりも随分と高いように思える。  (まと)っている雰囲気はおぼこいのに、体は大人というちぐはぐな感じが、奇妙さを通り越して、不気味で嫌な予感を(はら)ませていた。 「ねーねー。似てるでしょぉ~?」  アヒルのようなガーガー声が、苛立ちを露わにする。  耳につく高音に顔を顰めつつ、黒板を凝視した。  暗い上に、黒っぽい板。  そこには確かに板一杯に、大きく何かが描かれている。 “あれがアタシ?”  目を凝らしていくうちに、白とピンクと青色のチョークで描かれた何かが浮かび上がって来た。
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