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「バカって言ったほうがバカだもん。それに、ワタシは、アイにぃに言われたとおりに描いただけだもん。ワタシは悪くないもん。ワタシは悪くないもん。ワタシは……」
カリッポリッ
カリッポリッ
徐々に勢いを失くしていく人間らしからぬ声が途切れた時、何かを噛み砕く音がした。
「うん。マイは悪くないよ」
“え?”と思う間もなく、今度は穏やかな若々しい声が発せられた。
頭のぶっ飛んだ女との会話に夢中になるあまり、人が入って来たことに気が付かなかったのかと、辺りを見渡すものの、目に入る人影は、やはり黒板の前に立つ大女のみ。
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