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苦しさと、相手が誰なのか分からない恐怖により、パニックに陥った自分は、その腕から逃れようと必死の抵抗を試みるも、まったくビクともせず、逆に自分の視界が徐々に白くぼやけ、それ以降の記憶がない。
ひったくりやスリなら、財布を抜き取ったあとは用済みだ。
そのまま路上に放置していくのがヤツらの手口だが、意識のない状態の人間を、わざわざこの部屋まで運んできたということは、見知らぬ『誰か』の狙いは、『自分』だということだ。
“何故だ?”
自分の身を振り返る。
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