早熟な果実のように

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【第3場:かおとエレアの家】 かお:「はぁ、なんで喧嘩になっちゃうんだろ。昔は仲良しだったのに。 いじめっ子からエレアが守ってくれたりとか、僕が嫌いだったニンジン食べてくれたりとか…。 僕が口うるさいのかな? いやいや、でも女の子泣かすのはよくないし。 それに、好きじゃない子と、え、えっちとか…。 でもエレアも高校生だし、僕があんまりうるさく言うとうっとおしいと思われるよね。 うぅ、それはやだなぁ。 どうしよ…(涙目) あ!そうだ!ご飯! 今日のご飯、エレアの好きなグラタンにして、そしたら、それをきっかけに仲直りできるかも?! そうしよ! 早く作らなきゃ帰って来ちゃう!」 パタパタ。 (キッチンを走り回って1時間後) かお:「できた!ちょっと作りすぎちゃったかな。」 ブブーッ。 かお:「ん?LINE?」 《エレア:メシいらね》 かお:「えぇっ。そんなぁ。 はぁ、また帰ってこないのかな。ご飯作っちゃった。どうしよ…。」 ブブーッ。 かお:「またLINE?!エレア?!」 『ハル兄:最近は喧嘩せずに仲良くやってるか?』 かお:「ハル兄かぁ。喧嘩真っ最中だよ…。 あ!ハル兄呼んでご飯食べて貰お! えっと、『仕事お疲れ様。ご飯作りすぎちゃったから、食べに来ませんか?』と。」 ブブーッ。 『ハル兄:11時くらいになるけど、大丈夫か?』 かお:「どうせエレア帰っこないし、明日休みだし大丈夫だよね。えっと『大丈夫です。待ってます。』と。」 かお:「…エレアに返事…。やっぱり知らない!エレアなんて知らないんだから!ご馳走全部ハル兄と食べるんだから!!」
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