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「世界中にはね、沢山の人がいるの!だから貴方と同じ様にピエロでありながらも、必死で生きてる人だっている筈…貴方も諦めずに、前向きに生きて見たらどうかしら?」
「なんだかよく分からないけど…馬鹿にされてることだけは理解した」
「ば、馬鹿になんかしてないわよ!命が大切だって話を…」
「馬鹿にしてないなら、ピエロピエロと連呼するな!コッチは傷心なんだよ!それに世界に自分と同じ様なピエロがいるって!?いる訳、無いだろ!こんな情け無いピエロがな!」
「いや…いるわよ!少なくとも一人、同じ様なピエロが!」
「はあ?どこにいるって!?」
「…貴方の…目の前に」
そこで櫻子は語った。自身のピエロっぷりを。最初は疑いの目で櫻子を見ていた寅吉であったが、自身と同じ様な境遇の櫻子に次第に同情し始め…そして二人は泣いた。我慢していた大粒の涙を…夕焼けで照らされた屋上にて…。
こうして二人のピエロは手と手を取り合い『ピエロ同盟』を結ぶことになる。
惨めで無様で情け無い、そんなピエロ同士の滑稽なる傷の舐め合いが始まるのであった!
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