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第2話 エロいこと
「なあ、俺たち…付き合って…る、フリをしないか?」
「そうね。私もそう思ってたとこ。でも貴方程度と付き合ってると思われたら、トメ子達に同情されるかも知れないけどね」
「…本当に口が悪いな。そんなんだからピエロになるんだぞ!」
「真性のピエロに言われたく無いわよ!」
ピエロの二人は同じ悩みを抱えていた。それは…共に、親友のカップルとの接し方である。
本来であれば親友同士が付き合うのだ。普通に祝福すればいい。だが寅吉と櫻子は違う。ピエロなのだ。告白して振られたピエロなのだ。
ピエロに対して親友は気遣いをするだろうし、ピエロの二人も自分が告白したカップルと対峙するにはバツが悪い。これから同じ学び舎で三年間、お互いに気を遣い続けなければならないのは流石に酷だ。
だが、寅吉と櫻子が付き合ったらどうだろうか?お互いに気を遣っている親友カップルも、気兼ねなく付き合えるのでは無いだろうか?
そんな考えから、寅吉と櫻子はお互いに付き合ってるフリをしようと、偽装カップルを提案。だが、ここで…大きな問題が浮上してきた。
話すのを躊躇っていた寅吉であったが…それでも櫻子に問いただしてみた。
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