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お祝い
安息日前日、夕飯もそこそこにレイバンとボリスに押されるようにラウンジにつれてこられたランバートは、促されるまま扉を開けた。
途端に鳴ったシャンパンの祝砲に驚くと、集まってくれた人がニコニコと待ち構えていた。
「「ランバート、誕生日おめでとう!」」
歓声のようなその声に、胸の辺りが苦しく甘くしまっていく。
「ほら、早く入って!」
「突っ立ってても美味しい物出ないよ」
「ちょ!」
ボリスとレイバンがなおも背を押し、用意されたソファー席に座らせられる。祝砲のシャンパンはその場にいる人全員に振る舞われた。祝い酒だからと。
テーブルの上には沢山の料理が並ぶ。ローストビーフに果物の盛り合わせ、オードブル、シャンパンやワインの瓶。
「ランバート、誕生日おめでとう」
「わ!」
突如目の前に出てきた大きなケーキに驚いて見ると、オリヴァーが穏やかに笑っていた。
「私からの誕生日プレゼントですよ。安心して食べてくださいね」
「あ…ははっ」
にっこり笑うその理由は明白。以前オリヴァーから貰ったチョコを食べたランバートは、ちょっと大変な事になった。それを指して言っているのは明白だ。
「まずは乾杯な!」
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