431人が本棚に入れています
本棚に追加
ドゥーガルドの提案はコンラッドによって一蹴される。暴れたいらしい猛獣は待てを言われて唸っている。
「俺としては、もう少し楽しい感じのイベントがいいんだけど」
「例えば?」
「うーん、お祝い事?」
「お祝い事って…余計に難しい事を言う」
ボリスの提案にゼロスが悩む。腕を組んで難しく眉を寄せ首を傾けて。そしてふと、小さな声で呟いた。
「誕生日…とか?」
場が一瞬静かになる。ようやくひねり出したのがそれだ。
「いや、誕生日って。お前何歳だよ」
「俺は二十一だ。コンラッドだって同じくらいだろ」
「まぁ」
「この中で一番年下って誰だ?」
この中では比較的年上のコンラッドとゼロスが互いに話している。コンラッドの問いかけに、レイバンが無言のままにドゥーガルドを指さした。
「こいつ、十八だよ」
「「なにぃぃ!!」」
これには全員口をあんぐり言葉を失った。その中でドゥーガルドだけはどこか恥ずかしそうに頭をかいている。
「いや、可愛くないからな!」
「お前、十八だったんだな…」
気色悪いとレイバンが言い、ランバートも思わず呟く。確実に上だと思っていた。何せでかいから。
「そもそもさ、誕生日ってならせめて月だけでも合わせないとだろ。この中に誰かいるのか、六月生まれ」
「あぁ……」
最初のコメントを投稿しよう!