HappyBirthday

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 と、いわれてもつけた事がない。剣帯を見てどこにつけるのかと見回していると、ファウストの手がアクセサリーを取っていくつか開いている穴の一つに端の金具をひっかけた。  ぶら下がったそれは剣を抜くときにも邪魔にはならず、キラキラと光っている。 「お前は何かと良くないものに魅入られる傾向があるからな」 「好きで魅入られている訳ではないのですがね」 「だからこそのお守りだ。気休めだがな」 「それ、ファウストの戦用の剣についているのと同じ物ですよね?」  側で眺めていたエリオットが指摘するのに、ファウストの肩が震えた。それは間違いなく、肯定なのだろう。 「ほほぉ」 「へー」  悪い二人がニヤリと笑い、ジトリと好奇の瞳を向けたのは言うまでもない。 「いやだわぁ、自分とお揃いの物贈るんですって、シウスさん」 「素直じゃない男よの。本当に可愛げがない」 「もう、焦れったいよねー」 「お前ら!!」  赤くなったファウストが立ち上がるのに合わせて立ち上がった二人がわざとらしく逃げていく。こうなると団長の威厳などなく、昨日と同じようなものになっていく。 「あの、エリオット様」 「どうしました?」 「戦用の剣というのが、あるのですか?」  ふと気になって聞いてみる。ファウストが普段使っているのもそれなりに重い剣だ。身幅もある。だがそれとは別にあるのだろうか。  エリオットはのんびりと頷いた。     
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