小話①

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俺にはよくわかんない。 本人が隠してるらしいから、あんま詮索してない。 正午過ぎにもかかわらず、おはようと言ったのにはちょっと察しがよすぎないかと思うけど。 ちゃっかりグループ通話になっているソレに、新しい声が入ってきた。 『はぁ? どういう意味だ、バカクリス。もうお昼だぞ。俺は寝起きじゃねぇ!!』 『だぁれがお前のことなんて言った、この脳みそバカ』 『はっ。俺が脳みそバカならお前も脳みそバカだ、この野郎』 『うるさいよ。とりあえず黙って。これグループ通話なんだから。今は光希と話してんの』 『なっ!』 この男は、三好由貴。 ちょっとゴーイングマイウェイだけど、俺にはすっごく甘い。 …クリスとはケンカしまくりだけど。 なんのかんの言って仲良いから、俺はいつも二人の会話を放置…じゃなくて見守ってる。 『光希? 光希、いる?』 『みっちゃん?』 こうやって心配気に振り返ってくれるのが目的なんかじゃあないからな。
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