小話①

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「いるよー。クリス、由貴」 『あ? みっちゃん、お前…』 『今更気づいたのかこの鈍感』 『大丈夫なのか? お前、一人だろ?』 由貴の優しさが身にしみる。 電話だから、まるですぐ横にいるみたいに息づかいまで分かって気が緩む。 だから、つい。 「だい、じょばない…えへ」 ヘラっと笑いながら、言ってしまった。 何言ってるんだ今日は大晦日だぞと、言ったそばから後悔していると、ブチっと通話を切られた。 「え」 この状況で切られるとちょっと傷つくんだけど。 由貴はともかくクリスまで…。 思わぬ展開に固まっていると、ピロンピロンとほぼ切れ間なく通知がきた。 『すぐ行く』 『行くから待ってろ』 なんかまた、俺は余計なことをしでかしたらしい。 「そ、掃除…しとこ」 とりあえず浮かんだことをポツリと呟いた。
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