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「いるよー。クリス、由貴」
『あ? みっちゃん、お前…』
『今更気づいたのかこの鈍感』
『大丈夫なのか? お前、一人だろ?』
由貴の優しさが身にしみる。
電話だから、まるですぐ横にいるみたいに息づかいまで分かって気が緩む。
だから、つい。
「だい、じょばない…えへ」
ヘラっと笑いながら、言ってしまった。
何言ってるんだ今日は大晦日だぞと、言ったそばから後悔していると、ブチっと通話を切られた。
「え」
この状況で切られるとちょっと傷つくんだけど。
由貴はともかくクリスまで…。
思わぬ展開に固まっていると、ピロンピロンとほぼ切れ間なく通知がきた。
『すぐ行く』
『行くから待ってろ』
なんかまた、俺は余計なことをしでかしたらしい。
「そ、掃除…しとこ」
とりあえず浮かんだことをポツリと呟いた。
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