白と黒

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こんな風になるくらいなら、初めから一緒にいることの良さなど知らなければ良かった。そんなことも考えた。だけどそう決めつけてしまうと白との思い出がすべて、悪い思い出になってしまう。僕にはそれが耐えられなかった。 結局僕は白がいなくなった孤独感を味わいながらこれから生きていくのだろう。何かを知るには何かを失わないといけないのかもしれない。僕は人といることの楽しさを知る代償に孤独のやり過ごし方を忘れたのだと思う。 それなら失ったことを嘆くよりは、新しい生き方を考えていけばいいのかもしれない。孤独が嫌なら、人と一緒に生きていってください。白はそう教えるために僕の元に来たのかもしれない。 実際は別の理由があるのだろうが、今はそんな風に思えた。それならここで一人で悲しみ明け暮れていることは最も期待に沿わない行動になるのだろう。これからはもっと人と上手に付き合っていこう。そう自分の心の中で誓う。 だけど今日だけは白がいなくなった孤独に浸りたかった。白がいなくなったことを受け入れるのにもう少しだけ時間がほしい。僕は人肌がない広いこたつの中で、白のことを思いながら眠りに落ちていった。
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