白と黒

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早く要件を済ませてしまおうと、急ぎ足でコンビニへと向かう。その途中で再び少女と顔を合わせることになる。 さっき見かけた少女は、初めて見かけた場所から動かずにずっと空虚を見続けていた。 僕が一度家に戻ってシャワーを浴びて、再びここに来るまでに30分くらいは時間がかかっている。その間、この子はずっとこの場所に居続けたことになる。 この少女はこんな遅くに何をしているのだろうか。友達と約束をしていて、その友達が来ないとかだろうか。けど、それなら携帯などを使って連絡を取ったりするだろう。 少女のことが気になり思わず足を止めてしまう。そのまま少女のことを観察していると向こうも視線に気づいたのか、顔を僕に向けて来る。暗闇の中ではっきりと認識することはできなかったが、なんだか不思議な印象を与えてくる少女であった。 顔立ちは少女のあどけさを残しており、高校生くらいの様に思えた。だけど同時に大人びた雰囲気も纏っている。さらに無頓着な格好が相まって、年齢の輪郭はぼんやりとしたものになっていた。 そんなことを考えている間も少女は、ずっとこちらに視線を向けている。そのまっすぐな視線に思わず我に帰る。こんな時間にいい大人が少女を凝視していては、怪しい男というレッテルを貼られてしまう。 そのまま少女の視線を振り切るように急ぎ足でコンビニへと向かう。
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