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「神様、わたしのお願い聞いてくれますか?お年玉をいっぱい貯めたから、お金はたくさんあるんです。だから、わたしのお願いを叶えてください。」
『……願いはなんだい?』
「わたしの願いはーーーーーー」
「お母さん!お母さん!聞こえる?」
わたしは声を張り上げました。
「お母さ」
不安になり、もう一度呼び掛けようとしたら、
『はるか?……どうしたの?電話してきて』
お母さんの声。少し低くて、わたしを包み込んで、安心させてくれる、そんな声。
「わたしね、今年で小学生になるの。だから、お母さんに言いたくて。」
『そっか、はるかもそんな年か。よかったね、小学校楽しみ?』
「うん!ランドセルも勝手もらったんだ!ピンク色だよ。」
わたしは、お母さんと会話できていることが嬉しかったです。
『お母さんも見たかったな~。はるかのランドセル。』
お母さんも見たいといってくれました。
「お母さん、いつ会える?」
少し、声が震えていたかもしれません。
『わからないの。ごめんね。』
お母さんの声が、悲しいトーンに変わってしまいました。
「……お母さん、わたし、お年玉を貯めてるの。」
『……どうして?』
「一人でも、お母さんに会いに行きたくて。お母さんに会うには、お金がいるんでしょ?」
『……ありがとう、はるか。でも、お母さんははるかにひどいことしたから、』
お母さんは泣いているのでしょうか?お母さんに泣いてほしくありません。
「お母さん、泣かないで!」
『……うん。……私、はるかに会いたいな。』
早く、お母さんに会いたいです。
「わたしも会いたいよ…あ、お父さんが来たから、電話切るね!ばいばい!」
お父さんにばれたら、大変です。お父さんは、わたしとお母さんが話すのを嫌います。
『ばいばい、はるか』
お母さんは寂しそうな声で、ばいばいをいってくれました。
わたしは、お母さんにいつ会えるのでしょうか。早く、会いたいです。早く、お母さんの暖かい腕で抱き締めてもらいたいです。神様にお願いしたので、きっと叶えてくれると思うんですけど。
神様、わたしのお願いを叶えてください。
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