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工場セクションに、諍う声が響き渡る。
「違うんですよ山城さん!」
「お前の下手な設計図通り作ったらこうなるんだよ!」
からくり絵本のグッチ
若いママ達のトレンドになっている。
子供の成長に合わせて、からくり絵本のグッチも成長する。
グッチの成長ぶりをママ友同士で見せあって情報交換している。
するといつしか、グッチにお友達を!との声が寄せられた。
「シルバニア○ファミリーみたいになったらどうすんだよ……増殖かよっ!」
文句を言いながらも、まんざらでもない滝山だ。
設計図を山城に渡し完成を待っていたが、出来上がったのは……。
からくり絵本グッチのお友達
からくり絵本ボッチ
後に山口にあっさり却下される代物だ。
「このボッチは男の子ロボットなんですよ!なんでこんな年寄りに仕上がっているのかなあ、山城さん!」
「男の子だと?私はてっきりお婆さんロボットかと思ったからだなーー」
出来上がったのは優しい顔のお婆さん。
「山城さんの失敗を俺がカバーしますよ?天才的発想力でね」
からくり絵本のお婆さん
「地味だな……赤ちゃん泣かないかなー、可愛げのないお婆さんだし」
ブツブツと独り言を言いながらも、滝山の頭は凄いスピードで回転している。
「ひらめいた!やっぱ俺って天才!」
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