麒麟COMPANY

3/4
前へ
/209ページ
次へ
工場セクションに、諍う声が響き渡る。 「違うんですよ山城さん!」 「お前の下手な設計図通り作ったらこうなるんだよ!」 からくり絵本のグッチ 若いママ達のトレンドになっている。 子供の成長に合わせて、からくり絵本のグッチも成長する。 グッチの成長ぶりをママ友同士で見せあって情報交換している。 するといつしか、グッチにお友達を!との声が寄せられた。 「シルバニア○ファミリーみたいになったらどうすんだよ……増殖かよっ!」 文句を言いながらも、まんざらでもない滝山だ。 設計図を山城に渡し完成を待っていたが、出来上がったのは……。 からくり絵本グッチのお友達 からくり絵本ボッチ 後に山口にあっさり却下される代物だ。 「このボッチは男の子ロボットなんですよ!なんでこんな年寄りに仕上がっているのかなあ、山城さん!」 「男の子だと?私はてっきりお婆さんロボットかと思ったからだなーー」 出来上がったのは優しい顔のお婆さん。 「山城さんの失敗を俺がカバーしますよ?天才的発想力でね」 からくり絵本のお婆さん 「地味だな……赤ちゃん泣かないかなー、可愛げのないお婆さんだし」 ブツブツと独り言を言いながらも、滝山の頭は凄いスピードで回転している。 「ひらめいた!やっぱ俺って天才!」
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加