Chapter16 『触れてはいけないもの』

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「くすくすっ。」 (誠司は微笑んだ。) コンコンッ (市長室をノックする音がする。) 「ひっ・・!」 (三笠は肩をすくめた。) 「どうぞ。」 (誠司は、ノックに応え。 ドアへ視線をゆっくりと移した。) *** (風見市高層ビルの屋上。 長身の二つの影がある。) (一人は、眩い。 真っ白なスーツに身を包み。 太陽の光に、煌めく金の装飾。) (もう一人は、対照的な黒の服。 滑らかな光沢に。 流れる黒の短い髪、長い手足が目立つ。) ドォォォーンッ (今日、何度目かの。 自動空間誘導システムが作動するのを。 二人は、風見市の、見晴らしの良いビルの屋上から見つめた。) (聖の金色の瞳に。 前方の、住宅街から。 日の傾き始めた青空の彼方へ。 淡い黄色の光柱が煌めき。 すぐに消えるのが見えた。)
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