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「くすくすっ。」
(誠司は微笑んだ。)
コンコンッ
(市長室をノックする音がする。)
「ひっ・・!」
(三笠は肩をすくめた。)
「どうぞ。」
(誠司は、ノックに応え。 ドアへ視線をゆっくりと移した。)
***
(風見市高層ビルの屋上。
長身の二つの影がある。)
(一人は、眩い。 真っ白なスーツに身を包み。
太陽の光に、煌めく金の装飾。)
(もう一人は、対照的な黒の服。
滑らかな光沢に。 流れる黒の短い髪、長い手足が目立つ。)
ドォォォーンッ
(今日、何度目かの。 自動空間誘導システムが作動するのを。
二人は、風見市の、見晴らしの良いビルの屋上から見つめた。)
(聖の金色の瞳に。 前方の、住宅街から。
日の傾き始めた青空の彼方へ。 淡い黄色の光柱が煌めき。
すぐに消えるのが見えた。)
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