Chapter16 『触れてはいけないもの』

5/11
前へ
/220ページ
次へ
(それは、夏樹の腕時計の、空間誘導システムが作動した事を 意味していた。) 「・・夏っちゃん。 派手にがんばってくれてるね。」 (聖は、屋上のフェンスに両肘をつき。 満足そうに微笑んだ。) ザァァァッ (夏樹が、別空間へ移動した方角から。 聖のもとへ、強い風が届く。) 「くっくっ。」 「お前も頑張れって、言われている気がする。」 「こんなに動かれたんじゃ。 僕らが結界を整備するのに 間に合わないなぁ。 後ろから、責付かれているようだ。」 (聖は、金色の瞳を揺らめかせ。 流れる銀色の前髪が、 潮風に打たれるのを心地よく感じた。) (背後に立つ。 晃は、フェンスにもたれる聖に近づいた。) 「分かっているなら、さっさと働け。 さぼるんじゃない。」 (晃は、聖の隣に立った。)
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加