Chapter16 『触れてはいけないもの』

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「一体いつ、統括したんだ?」 「お前じゃなく。 お前を支える人間が、優秀なんだって事を、 忘れるな。」 (晃は、聖に触れるほど近づき。 自分も隣で、フェンスに 長い腕を投げ出した。) 「はいはい。」 「分かっていますよ。 副司令官殿。」 (聖は、金色の瞳を細めて。 晃が怒る様子を、面白そうに笑った。) (長いストールと白いネクタイ。 ネクタイピンには、FOT No.1と 金色の文字で刻まれ。  Fの文字を象った鍵の紋章が中心部にある。 鍵の両脇には、赤い翼。) (No.1は、総司令官であることを示していた。) (聖の視線の先で、晃は、まだ。 夏樹の行き先を見つめていた。) 「お前は、分かっていない。」 (考え込んでいる。 晃の、黒い瞳に。 流れる短い髪。 ビル風に揺れる上着に。 FOT No.2と刻まれた。 小さな金文字のピンバッジが光る。) 「僕には、良い仲間がいるよ。 メンバーは皆、僕の家族だと思っている。」 (聖は、すぐ傍で。 難しい顔をしている、自分の一番の友を見つめた。)
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