Chapter16 『触れてはいけないもの』

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「取り出して。 集めるだけでは、 問題は、解決しない。」 「根本を解決しなければ。」 「“闇”の原因をたどる必要がある。」 「夏っちゃんは、他の誰より。 “闇”を見極める力がある。」 「だから。」 (晃は、視線を上げ。 聖を見た。) 「だから、あの時、夏樹を引き取った訳じゃないだろう。」 (晃の黒い瞳は、 鋭く睨んだ。) 「くっくっ。 晃君、怖いな。」 「そんな顔しないでくれ。」 「僕はね。」 (聖は、フェンスに肘をつき。 両手を 組んだ。) 「僕は・・。」 (ゆっくりと語り始めた。) 「忘れたくないからだよ。」 (聖は、指先の、銀の指輪を見つめた。)
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