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あの後家に帰った僕を待っていたのは大好きなハンバーグと茜がいなくなる話。
母さんが言うには茜の両親が離婚をしてしまい、茜は母親に引き取られることになった。それに伴い茜は母親の実家へ連れて行かれるらしい。
全部初耳だ。
……そんな話どうでもいい。
茜がいなくなってしまう。
どうして言ってくれなかったんだ。
どうして気づけなかったんだ。
友達じゃなかったのかよ…。
言ってくれなかった茜にも気づけなかった僕にも腹が立って、大好きなハンバーグは僕の喉を通らなかった。
こんな事初めてだ。
こんな気持ちは初めてだ。
ご飯が喉を通らない事がこんなに苦しいなんて知らなかった。こんなにも胸を締め付けられるなんて知らなかった。
これが茜の言っていた恋じゃない事は分かっている。
けれどこんなに苦しい思いをするのなら、僕は。
恋なんて知らないままでいい。
この日から僕の影には君の足跡が残ったままだ。
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