祭り

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 空が白み始める頃、俺は満身創痍という体でやっと女達に解放されウラの待つ家へと向かって歩いていた。  纏わりついていた女達の体温が無くなり寒さが一層身に沁みる。  早く家に帰って藁に潜って眠りたい。  ウラはもう起き出す頃だろうから藁の中にウラの体温が無くていつもより寒いだろうけど仕方がない。 「ミズ」  そんなことを考えながら歩いていた俺の名を後ろから呼ばれ振り返ると 「ナギか」  いつもは後ろで一つに括っている髪を乱したナギが立っていた。  きっと俺の髪も乱れまくっていることだろう。 「なんだ?何か用か? 寒くて早く家に帰りたい。用があるなら早くしてくれ」  俺は取り繕いもせずに本音を漏らす。 「女の体は良かったか?」 「おい。祭りの夜の事は口外無用だろう」  俺は呆れた顔をしていたと思う。 「まだ宵祭りは終わっていない」  ナギは言い終わる前に俺の腕を掴んで引き寄せた。 「痛ッ! なっ――?!」  何をするんだと言う俺の声はナギの口の中へと消えていた。  何が起こっているのか一瞬分からずパニックになる。  押し入られた舌に上顎を舐め上げられゾクリとした感覚で口接をされているのだと分かった。  女の物とは違う肉厚の舌が喉奥まで差し込まれ接吻と呼ぶには乱暴過ぎる動きで口腔を蹂躙する。  俺は息が出来ず逃げようと藻掻くが、俺の後頭部を掴むナギの手がそれを許さない。  喉奥を舌で犯され、俺は寒さとは違う震えが腰元から駆け上がるのを感じた。  下腹が疼くような感覚に顔がカッと熱くなる。  何かが腹の底で蠢くのを感じ、尻の穴から漏れ出て来る感触に唖然となる。  内腿を伝う熱を帯びた液体に俺の下肢は震え、立っていられなくなった頃、ようやくナギは口を離した。  ぐったりとした俺の体を抱き留めたナギが俺を見下ろし 「感じているのか」  と嘲りを含んだ声で言った。
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