太子

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「違う。我の名だ。これは寝台だ」 「……」 「何故黙る」 「もしかして俺にその寝台とやらで一緒に寝ろと言っているのか……?」 「先程からそう申しているであろう」  言ってからカグヤは顔が熱くなるのを感じた。  瑞貴と床を共にする。  考えただけで下半身に血が滾りそうだ。 「俺はカグヤの子は産めない」  瑞貴の言葉にカグヤは鼻を吹きそうになる。  何故下半身のことを考えていたと分かったのだと。 「あ、あ、当たり前だ。ミズキは……その……ついているのであろう?」  自分の下半身の状態も気になるが、瑞貴のそこも気になるカグヤ。  本当に自分と同じモノがぶら下がっているのかどうか、この目で確と確かめたい。  ついていたとしても瑞貴のならば良い。 「当たり前だ。カグヤは早く世継ぎを作るべき人間だ」 「俺が作らなくても世継ぎなど他にも大勢いる」 「そうなのか? ウジガミはカグヤに世継ぎをって言っていたが」 「それは自分の権力をより強固にしたいが為だ。跡継ぎ候補が増えれば増える程、国が乱れる原因となる」 「そういうものなのか」 「クルソーではどうであったのだ」 「クルソーには王は居なかった。女が一族の長で例外を除いては長女が家督を継ぐ」     
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