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掌はそのまま顎を撫で、首筋へと下りていく。
俺は固まったように動けなかった。
衣擦れの音がやけに大きく聞こえ、板の軋む音が淫猥に感じた。
身頃の前合わせに差し込まれた手が脇腹を擦るように這い太子の息遣いが荒くなっているのを直ぐ側で感じる。
その丁寧過ぎる肌の表面をなぞるかのような触れ方がもどかしい。
親指が俺の胸の小さな粒を掠る。
意図的に触れているのは分かるが、その指先は力が込められていないのも分かる。
ぞわぞわと鳥肌が立つかのように立ち上がる胸の尖りに太子の手が止まる。
ギシッと大きく板が鳴るのを聞いた。
「……ぬ……ぅあ……」
太子の探るような愛撫は俺の下肢に隠された秘所を見つけるやいなや、大胆に変貌していた。
粘液に濡れた肉襞を擦り上げ感触を楽しむかのように三本の指をバラバラに動かし、俺を翻弄する。
最早完全に身を起こし俺に覆い被さる太子が首筋を舐め上げ俺は変な声が出るのを抑えられない。
太子は獣の様な唸り声を時折上げていた。
「たっ……ぃ」
「太子ではない――カグヤと呼べ」
「は……カ、グヤぁ……も挿れてぇっ」
「! ……お前はっ!」
俺の欲深き孔が雄を求めて早く熱く滾るモノで満たして欲しいと訴える。
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