予言

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予言

 嘗て此の世界の多くを戦禍に巻き込んだ独裁者の男は限られた側近を集めて言った。  今から200年後の世界には今いる人類はいなくなり、宇宙から此の世界を支配する神のような人々と  機械的生命体のように生きる人々とに二極化するだろうと。  男の残した言葉は一部のオカルトマニアな人々の間で予言として語り継がれるに留まった。  その男が残した言葉通りに世界が動き始めていると薄々感じながらも黙殺されたのだった。  紀元歴29XX年4月――  その日瑞貴は2か月後に控えた幼児教育センターの卒業式前に行われる卒業遠足で民族資料館を訪れていた。  世界遺産記念公園内にある民族資料館には何百年も昔の人々の暮らしを再現した3D映像やロボットが展示されている。  大人が見学するには些か学術的にもアトラクション的にも物足りない展示品ではあるが、普段滅多にセンターの施設内から出ることのない6歳の少年少女達の目には物珍しく映っていた。  子供は生まれたその日の内に幼児教育センターに入所し保育器の中で暫く育てられる。  その後も子供は国に管理され親元に帰ることはない。     
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