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華奈はすることも無く、ただ歩いていた。
自分は何をしているのだろう?何から逃げているのだろう?それすらいまの自分には分からない。
ただずっと、ずっと行く宛も無く歩き続けるだけ。
歩きつかれた。もうどれくらい歩いたのだろうか。
運良くそこに公園があった。
華奈はブランコに座り、揺られている。
もうそろそろ歩き始めようか。そう思った時
「ねぇ、貴女辛そうな顔してどうしたの。」
この瞬間が、私と蘭華の運命の出会いだった。
傍から見たら、同性愛なんで気持ち悪いだけかもしれないけど、本当に綺麗で素敵なのだ蘭華は。
でも、これは幸せじゃない。
そう、これは偽りの恋。
それでも、それでも一時でも、一途に人を愛せた。
こんな私でも、人を愛せた。
なら、それでいいのではないか。
今から始まるのは、私と蘭華の、苦くて、甘くて、酸っぱい恋の物語。
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