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もう嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ。もうあんな所嫌だ。
心にまとわりつく棘のあるつたのような人達。痛くて、苦しい。
私は行く宛も無く、助けを求めて走った。本当は助けを求める人などいないのだけれど。
それでもいい。こんな私でも助けてくれる人がいると信じ、探し続ける。
只只走りつづける。もう、足が動かない。でも、でも、ここで止まってしまったら、あの恐ろしいところへ戻ってしまう。
そんなこと絶対に嫌だ。絶対に絶対に絶対に。
あぁ。疲れた。そんな時、眼の前に公園があった。少し休もうか。そう思い、ブランコの方へ行った。
そしたら、とても辛そうな顔をした少女がブランコに座っていた。
私と同い年くらいだろうか。私はその少女から自分と同じ匂いを感じた。
だから、声をかけずにはいられなかった。
「ねぇ、貴女辛そうな顔してどうしたの。」
その時振り返った少女はとても可愛かった。
今から思えばこの瞬間が初恋の瞬間だったのだろう。
本当に華奈は可愛かった。一目惚れだ。
たとえそれが、一時の幸せだったとしてもこんな私に一時でも幸せがあったのだからそれで十分だよ。華奈。
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