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駅から見る景色なのに疎らな人通り、それは都心部から離れた住宅地と小規模な事業所が多い休日の午後だからだろうか。
各駅停車のみのシンプルな駅舎と通過電車が休日出勤のダメージ付与のようだ。
「どうしてセキュリティのリアルタイムスキャンをオフにするのよ、データのバックアップも取ってないし、そんなんじゃあオンラインストア運営する資格なしだって、ソフトが重いって古いサーバいつまでも使ってるから遅いのよ、やる事簡単なのに時間ばっかりかかって、あーもうムカつく」
そんな事を思いを叫べるはずもなく、作業終了報告を会社に送る。
やっと終わった……、と視線を上げると駅前の駐車場から敬太ともう1人同じ歳くらいの女性が視界を横切りスパーへ向かう。
「あれ、敬太?」
追うにも、呼ぶにも駅ホームからじゃあ不審、そんなことを思っていると2人はスパーの出入り口の方へ姿を消した。
「まさかね」
本人か、代りに遊ぶとは? 色々なまさかが混じるけれど私の選択肢はとりあえず到着した電車に乗るしかない。
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