第86話 【宴《うたげ》とくしゃみ】

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    きづけば、伯蔵主以外のみんながくしゃみしだした。 「どうなってんだ北條!?いっきしゅッ」 「おそらく、びゃっくしょん!…あの。胞子(ほうし)のせいだろう、ぐしょんッ」 「胞子っスか?!…くしょんッ」 「ああ。白兎の厄災を浄化する副作用(ふくさよ)ォ…っくしょんッ。く、く、くしゃみが止まらないと、薬煎坊(やくせんぼう)からいわれた」 「それ先に言え!はっくちょいッ」 「か、“花粉(かふん)”とおなじじゃな」 「か…かふ・・・かふん…ぶえええええっくしょん、ずず、ふええええ」 「タローさん!いまの貞吉さんのお耳に『カフン』って言葉はタブーな、くちゅんッ///」 「静季さん、いまアンタも云った…ぜ…?…くしょんッ」 「冷静に突っ込んでからくしゃみすんな!ひいぇえぇぇええああああッくじゃああああ!」 「大河、きさまのくしゃみは汚すぎる。は、は、はむちょっとばりやッ」 「テメェはくしゃみがおかしいんだよ!萩夜ァ・・・くしょいッ」 ツッコんだ天邪鬼の鼻から尋常じゃない鼻水がでた。 外では野槌がとてつもなくでかい特大くしゃみをぶっぱなし、宴会場が吹き飛ばされ崩壊した。 それでもくしゃみ大演奏はしばらく止まなかった。 月弥はとうとう、(あお)三日月(みかづき)に向かって()(さけ)ぶ。 「だれでもいいから、とめてくれええええびゃっくちょんッ!!!!」    
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