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◆ ◆ ◆
朝焼けとともに、長次郎の墓標が淡く浮かんだ。
風音は、そっと手を合わせる。
風が吹いた。
風音はすっと瞼を閉じ、
ありがとう、と云った。
私みたいなものでも、明日は見れる。
明日を生きて、
人を信じて、
頼って歩いていいのでありマス。
風音はぐっと背筋を伸ばした。
そういえば、まだ、寝ていない。
それでも、
とても清々しい朝だ。
───了
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