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9月。 まだまだ暑い日々が続く中、学校は文化祭モードに突入していた。 孝行はあることがきっかけで急遽クラスの出店を任されることになる。 寮は三棟あり、食事はほとんど手作りで、料理自慢のお姉さま方の食事は美味しかった。 ところが偶然にもシルバーウイークにこの棟のお姉さま方が1人しか出てこられない日が出来てしまった。 それは突然の不遇で学校側も朝食と昼食までに代理を用意できなかった。 そこに名乗りをあげたのが孝行だった。 孝行はその人脈で料理の心得があるものを召集した。 何となく拓、弥生、皐月も付き合うことになった。 そして孝行の仕切りと段取りと手際の良さに一同驚くことになる。 それ以上に完璧な料理の仕上がりには、ほとんどの生徒から驚愕と感嘆が奉じられた。 生徒の波が一段落してようやくボランティア側の生徒が朝食にありつけた。 「なるほどね~味噌汁最高」 弥生は一口食べては同じ台詞を繰り返す。 「なるほどね~出汁巻き最高」 皐月は感慨深く語りだす。 「出汁だな。出汁が全てを引き立てている」 献立はあらかじめ決まっており、孝行は用意されている食材を調理しただけなのだが何かがいつもと違った。 何がどうだなんて分かる生徒はいなかったが、皆一様にいつもより美味しいと言っていた。 「なるほどね~」
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