年の瀬

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大晦日になるとコタツの上に小芋や人参がおかれる。 ノッペという郷土料理を作るのだ 今年は旦那の弟嫁と共に皮をむく 大量の小芋をむくのは大変だ 「こっちは寒いね。」 沖縄育ちの義理の妹は東北の寒さはこたえるようだ。 煉炭コタツに足をいれチャンチャンコを着て作業をする。 ストーブの前では年老いた猫が丸くなっている。 なじんだ光景なじんだ臭い 今年でおしまい 私は離婚するのだ 今も弟は話に来るのに旦那はこない 二階の自室でパソコンとにらめっこしているのだろう 愛想がつきた だからサヨナラすることにした。 何も知らない妹は笑ってお姉さんと呼ぶ もう来年は豆煉炭の温もりも味わうことはない。 外は雪が降っているのだろう シトシトという音がきこえている
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