『りっくん』と『くうちゃん』

ミキちゃん。

ミキちゃんは

『b- moon』で

ピアノやボーカルをこなす

男の娘。

だと僕は思っている。

‘‘女の子’’ と思っているヒトが

多いらしい。

茶色くてフワフワした髪を

ポニーテールにしたり

ハーフアップにしたり

前髪を編み込んだりと

いつも可愛くしてる。

瞳はブルー。

まん丸のお目々はビー玉みたいで

とっても可愛い。

背は僕とあんまり変わらない。

きっと１６５センチくらいで

僕より少し高いくらい。

ショートパンツとタンクトップから出る

長い手足はとっても華奢で

僕でも抱き締めたくなるくらい。

首には黒のチョーカー、

腕にはジャラっとブレスレット。

足元は編み上げのゴツいブーツが定番だ。

多分、僕より年下で
中学生くらいかな？

りっくんが凪さんと話してたんだ。

『ミキちゃん超可愛い。

あんな娘連れて歩いたら最高！』

って。

僕だって……

ずっとミキちゃんみたいに可愛くしたいって

思ってたけど

なかなか

勇気がなくて……。

でも

この前のライブの後

思い切ってミキちゃんに話しかけたんだ。

『くうもミキちゃんみたいに可愛くなれる？

どこで洋服買ってるの？』

ミキちゃんは最初驚いた顔してたけど

『くうちゃん？ こういうの着たいの？』

『うん。可愛くなりたい。』

ミキちゃんはニッコリ笑ってくれた。

『今度の土曜日、僕の家来る？』

『いいの？ くう嬉しい！』

『くうちゃん可愛いね。』

そう言って微笑んでくれたんだ。

ちょっぴりミキちゃんに

ヤキモチ妬いちゃったけど

僕の憧れのミキちゃんは

やっぱり可愛くて優しかった。