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「くうちゃんは
どうして男の娘の格好したいの?」
「女の子になりたいわけじゃないんだ。
でも可愛い格好には憧れてる。
初めてミキちゃんを見た時に羨ましいなって思ったけど
僕には勇気がなかったんだ。」
「ミキはね
人と話すの怖くてね……違う自分を作ってるって感じかな?
前はウチから出られなかったから……。
でもね駿くんがね
あっ b- moon のベース弾いてるヒトがね
中性っぽい服を着せてくれて髪もセットしてくれて
違う自分になれた気がして外に出られるようになったんだ。」
「そうなんだ。
ミキちゃん可愛いから何でも似合って羨ましいな。」
「くうちゃん?」
「あのね……くうの好きなヒトね……」
「陸くん?」
「何で?」
「くうちゃん可愛い。
僕ね見ててわかっちゃった。」
「りっくんが好きなんだ。
この前りっくんが凪さんとミキちゃんみたいな可愛い娘を連れて歩きたいって言ってて
僕、ヤキモチ妬いちゃった。」
「くうちゃんは可愛いいよ?
僕ねくうちゃんのタレ目チャンが羨ましいんだ。
睫毛も多くて可愛い。
僕だって羨ましいよ?」
「ミキちゃん……。」
憧れのミキちゃんが僕を可愛いって
羨ましいって言ってくれた。
嘘でも何でも嬉しい。
思わずウルウルしてきちゃった……。
「くうちゃんギュッとしてもいい?」
僕は頷いた。
ミキちゃんは泣きそうになっている僕を
優しく抱き締めてくれた。
ミキちゃんはとってもいい香りがした。
しばらくして僕の頬を両手で挟んで
オデコをコツンとくっつけた。
可愛いミキちゃんの顔が目の前で
ドキドキする。
「くうちゃん、可愛くなろうね?」
オデコにチュッとキスしてくれた。
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