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…バタンッ!……
はでな音をたてて、僕は後ろに倒れた。
「痛っ――」
「何やってるんだ!危ないだろう!?」
僕を引っ張ったのは近所のおじさんで、恐い顔をしてこっちを見ていた。
「ごめんなさい。……でも、ほら」
僕は立ち上がってまたあの白い物体を指差した。
「ん?…ああ。猫か」
そう言ったときのおじさんの顔は、何だか悲しそうだった。
「おじさん…あの子、平気かなぁ?」
僕が聞くと、おじさんは猫を見たまま言った。
「う~ん…可哀想だけど、あのままじゃ死んじゃうかもしれない…」
僕はそれを聞いたとたん、おじさんの服にしがみついて叫んだ。
『お願い!あの子を助けてあげて!!!』
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