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この一件があって、王子様とお地蔵さん達とは関係が徐々に疎遠になっていった。
さらに良くなかったことは王子様の側近にズルソーネンとという有色人種差別主義者が加わったことだ。
この男はお地蔵さんたちからの頼み事などを握りつぶし、王子様からのメッセージを一切送らなかった。
また家具職人の神様を恫喝し、お地蔵さんとの付き合いを禁止した。
こうしてお地蔵さん達は北野を支援することが出来ず、北野は仕事が全くできないようになり、日本からの業務命令で帰国することになった。
仲が良くなったスウェーデンジンとの家具職人も気味悪がっていった。「北野と取引しようとすると突然、邪魔がはいるんだよな」とこれは神様の仕業に違いないと二人はそう思った。
ユーコは大変残念がり、「北野と北野の妻が帰国を最後まであきらめないか」といってくれたが、家具の取引き以外で暮らしていくことは難しいため、強くは言えなかった、
出国のとき、カクソーネン博士も現れ、斯く斯く云々とお地蔵さんたちに伝えたが、一度決まったものを覆すのは無理なため惜しみながら北野一家とお地蔵さんたちを見送った。
このことを知ったズルソーネンは大変喜び、「これで王子様の身柄は安心」だと周りに吹聴した。
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