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北野は疲れていました。 社長に休職願いを出して、いったん故郷の村に戻り実家で過ごすことにしました。 年老いた両親は喜びました。 子供たちも都会にはない自然環境に大変喜びました。 もちろん、お地蔵さん達へのご報告も忘れません。 その晩の夜、北野の枕元でお地蔵さんが五体並んで立ち、「良くやったぞ」と褒めてくださいました。 北野は毎日朝の散歩ががてら、暑いも寒い日も子供達と一緒にお地蔵さん達にお参りし、新しい服を着せて回りを掃除をしました。 雪が降りそうな日には笠と蓑をかけました。 子ども達は、「これが笠地蔵様か」と絵本でみたことを思い出して言いました。 荒れはてていた農地が北野家にあったので、北野の妻は野菜を植えはじめ、有機農法で野菜を植えはじめ食卓に提供しはじめました。 野菜は甘くて、みずみずしいので美味しく食しました。 北野の妻は積極的に参加している村の婦人会でたくあん作りがこの地域で有名であることを知り、他のメンバーに働きかけてたくあんを作りネットで売ることを提案しはじめました。 最初は少なかったお客さんも口コミで増えたてきたことで忙しくなりました。 ある有名な食育の雑誌で取り上げられ、決定的なことは有名タレントが主催するテレビ番組で取り上げられたことです。 お客様は凄い数となり、そのままリピーターとして定着してくれることになり規模が大きくなりました。 北野は地元の木こりに半年の間、修行していい木の選択を教わり、みずから選んだ木で家具を作り始めました。 実は東京での家具メーカーの職はとっくに辞職したのでしたが、社長や部長は北野の作った気のテーブルなど質が高さを評価し買っていただいていました。 またこの他にも口コミで市井の人に伝わり、購入してもらっています、 夫婦お互いはやりたいことをやりイキイキしている姿をみてお地蔵たちは満足でした。 不満と言えば餡子の饅頭を毎日お供えしてくれればといいのに思いましたが、お地蔵さん達はもとの何もいわずに皆を見守る存在に戻りました。
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