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これらのことは、北野の妻が育てているスウェーデンの花の精霊から北野の故郷のお地蔵さん達のスマホのメールに送り伝わる。
このことを知り、地蔵さん達のリーダである金さんは他のお地蔵さん銀さん、仁さん、角さん、助さんに話しかけた。
「北野が笠地蔵の絵本を見て泣いている」
「彼らは一様におどろいたようだ」
「北野は精神的に追い詰められているな」
「北野は子供の頃、おれたちに良くお供えをしたな、みかんとかまんじゅうにお茶を加えてたな、あれは美味しく頂いたな、夏には素麺とか、冬には北野のばあさんは俺たちが寒くならないよう毛糸の帽子など手作りで作ってくれたものだ。北野一家は掃除も良くしてくれた。
雪が降るときなど笠や蓑をかぶせてくれたな」と皆が北野の善行を振り返り話をした。
「何とか北野の助けになることが出来ないかな」と角さんが言った
銀さんが「俺たちがスウェーデンにいき北野を元気づけてやろう、加えて現地の神様と交渉し彼が仕事がうまくいくよう取り計らってやろうじゃないか」と提案した。
無論、みんな大賛成だ。
さっそく、地元のお地蔵さん会長のハヤシさんに会うと、この話を聞いて喜んでいた。
そして、東京の東日本お地蔵さん協会のムサシさんに電話で話をすると、飛行機の手配をしてくれるという。
ビジネスマンの容貌に変身して、地元のバス停からローカル線を乗り継いで新幹線に載り東京に着いた。東日本お地蔵さん協会の会長のムサシさんと旧交を振り返った。
かなり前ですよ、以前は江戸時代で歩いていったんですからと昔話を楽しんだ。
「今回はある好青年を助けてやろうという意気込みらしいですね」と会長がいった。
「そうなんですよ、我々が少しでも彼のお役に立てればいいですからね」
「ところでスウェーデンの神様とは連絡はとれているんですか」
と聞かれると、金さんは困った顔をして「それが私は北欧神話を勉強しはじめたところでまだいないんですよ」
「それならば、日スウェーデン友好同盟を締結したスウェーデンの神様でもあるマルコ・カクソ―ネン博士にメールで話をしときますから彼と会うのもいいですね」
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