1人が本棚に入れています
本棚に追加
他には家具の神様の長とお話をされて北野との取引を円滑にするよう助けてやってくれといい、スウェーデン語が堪能で家具のことに詳しいユーコ・ダニエルさんを紹介してくれた。
細かい日本語を忘れたユーコは、絵がうまい北野が描くデザインで把握した。
ちょうど、アレクサンドルが北野の好みに近い家具をつくっているなと思い、会う約束を取りつけた。アレクサンドルは親日家で話はとんとん拍子に進み、購入の日時や個数までの契約をした。
まともな契約をしていなかった北野は喜んで、部長に報告のメールを送った。
部長もすぐ返信のメールをよこし、「いい仕事をしたな北野、社長も気にいっていたよ」とお褒めの言葉を貰った。
妻にも話すと喜んで「ユーコさんを誘って、一緒にデイナーに行きましょうよ」
北野も自分はここまでがむしゃらに突っ走ってきたから、ここらで一服しようかと考えていくことにした。
その晩はユーコ の紹介でストックホルムの口コミサイトで人気のストックホルム・がスタブッドに行った。
子ども達はベビシッターに預けて家で遊んでいるに違いない。
お店はいい雰囲気のなか、出てくるコース料理はどれも美味しかった。
女性同士が話し込んでいる中、北野はひたすら食べた。「うまい」と思うと同時に短い期間ながら苦労した毎日が鮮やかによみがえり感涙にむせ始めた。
北野の妻は「なんで美味しい食事をして泣くのかしら、この人」と言って不思議がっていた。
背後には日本からきたお地蔵さん達、金さん、銀さん、助さん、角さん、仁さんがいた。
北野が泣いているのをみて、地蔵さん達ももらい泣きをしながら食べていた。
最初のコメントを投稿しよう!