スウェーデンへ

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異変に気付いたウェイトレズが店長に報告すると、店長が五体の前に動揺しながら「当店の食事に何かご不満でも」と尋ねると、金さんが「あまりにも美味しくて感動して泣いているのです」と答えると、 店長は理解しがたいという雰囲気の顔をしながら「ごゆっくりと堪能してください」と言って、その場をあとにした。文化が違うということを理解するのは一筋縄ではいかないなと自分に言い聞かせた。 お地蔵さんたちの活動は精力的だった。その地の神様と次々に出会い、家具職人を紹介してもらい、ユーコにひきあわせるように仕向ける。まさに神のみ成せる技であった。 ユーコはなぜ、北野がこんなに有能な家具職人とばっかり出会うのか不思議だった。 彼女のスケジュール表は一杯となった。 北野も技術的な専門用語のスウェーデン語を理解し、話し始めて話し合いも実践的となった。 ある晩にお地蔵さん五体が北野の夢の中に登場した。 「北野くん、慣れない土地でがんばっとるな、我々も君のことを応援してるぞ、これからも残り期間、頑張ってくれよ」とコメントして去った。 北野はすぐさま起きてみると、玄関に日本の食材が一杯置いてあった。 米など三俵もおいてある。誰がこんなことをとまさか夢の中にいたお地蔵さんかと思い、しばしお地蔵さんを拝んだ。 そして、ありがたく頂くことにした さっそく、妻に頼んでお米をといでもらい炊飯器でおにぎりを作ってもらった、 もちろん、お地蔵さん達の分もいれたのでかなりの数だ。 自分と子供たちもわいわい言いながらいびつな形、大小さまざまに出来た。 お地蔵さん達の分はリビングの中央に飾っておいた。 残りは朝ご飯代わりに家族四人で食した。 ここでも涙腺が弱くなっている北野は泣いてしまい、子供たちが心配した。
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