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「はぁ~寒っ」
人混みの中、白い息を吐きながら僕ーーー竜道蒼衣(りゅうどう あおい)は、とある場所に向かって歩いていた。
まだ寒さが厳しい1月だというのに人通りが多いという事実が、僕には不思議でならない。
あまりの人混みに寒いんだから室内に引きこもっていればいいのにと、現状外を歩いている自分を棚に上げながらも考える。
というよりも、そもそも本当は今日は1日中家でのんびりと読書でもして過ごす予定だったのだ。
それを急にかかってきた電話の主に断る暇もないマシンガントークで呼び出され、仕方なくこの道を歩いているのだ。
「全く、アイツはああなると人の話を聞かなくなるから困るんだよな」
そう1人で愚痴りながらも、目的地を見つけ、少し早足になってその店の前に立つ。
辿り着いたのは一軒の喫茶店だ。
看板には『ジョーカー』という字が書いてあり、扉には『本日営業中』という札がつけてあった。
僕は溜め息1つ吐きながらもその店の扉を開け、中に入った。
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