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16歳の冬
母が子宮ガンで亡くなった
私は母がいなくなった喪失感と、これからどうなるのかわからない絶望感でお先真っ暗の状態
母が勤める病院で亡くなった母
婦長さんや同僚の人達がテキパキ段取りをしてくれている
葬儀は私はどうして良いかわからない
でも、病院の事務長が出入りの業者に格安でやってもらうよう交渉してくれたので、母を何とか見送ることができる
母の妹である叔母さんには電話をしたけど、到着まではまだ時間がかかりそう
一人ぼっちだった
涙が出そうだったけど、今泣いてしまうと泣き崩れて立ち上がることができないので、歯を食いしばって堪えた
霊安室で葬儀会館に母を運んでくれる寝台車を待つ間、一人で母に付き添っていた
コンコン
ノックの音がするのでドアが開くと、父親の兄夫婦とその子供の彼が急いで駆けつけてくれた
「愛ちゃん、大丈夫?」
叔母さんは亡くなった母よりも先に私を気遣い抱きしめてくれた
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