12人が本棚に入れています
本棚に追加
翔太は短い言葉をはいた。行為が終わったのだ。魔夢は喉を鳴らしそれを飲み込んだ。
「溜めすぎ、極上の欲望ね」
明葉は膝を震わせながら怒り始めた。
「は、破廉恥よ。水野から離れなさい!」
「ふふふ、浮気された気持ちになっているの?」
「そ、そんな感情沸くわけないでしょ!」
明葉は魔夢に言った。
「私がどうして、この学園に現れたか教えましょうか?」
魔夢は明葉を見つめた。
「晴矢学園の治安を性の力によって統治するためよ」
「性の力による学園の統治ですって……?」
明葉は言葉の意味を考えた。魔夢は口のなかに残った味を確かめながら喋り続ける。
「難しく考えなくてもいいわ。受験も、恋愛も、イジメも、スポーツも、学園生活で起こりうる大抵のもやもやは、性を吐き出すことによって解消されると思わない?」
その言葉は幼い頃より、全ての学年、教室でクラス委員長を務め上げてきた明葉のプライドを傷つけた。
「できるわけないでしょ!」
「でもあなたはたった一本の凶器に勝つことができなかったわ?」
「うっ」
魔夢に言われ明葉は不良にすら勝てない非力を認めざるを得なかった。
「じゃぁ続きを始めようかしら……」
最初のコメントを投稿しよう!