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明葉は喝を入れられると梅花の膝もとに抱きついた。涙を流しながら学園であったことを打ち明ける。
「なるほど、学園に淫魔が現れたと言うことですね。分かりました。これは良い機会かもしれません。あなたに退魔巫女としての試練を与えましょう」
明葉は梅花にそう言われと自若の滝を離れた。
明葉は御神体の大鏡が飾られた神社本殿の板の間に正座をした姿で待っていた。そこへ、漆塗りの箱を持った梅花が入ってきた。
梅花は明葉の目の前に座ると箱を開け、そのなかにある、更に小さな箱を開けて見せた。なかから蛇の装飾のほどこされた、金色に光る輪が出てきた。大きさで言うと少し大きめの指輪と言っていい。
「これは……」
「大蛇殺」
「オロチ、サツ……?」
「淫魔を封印せしめる古の魔具です」
梅花は明葉に輪を握らせると厳かに言った。
「これを使って、咲蓮さんを倒せと……」
「いえ、倒すのではありません。手懐け使い魔にするのです」
「淫魔をですか?」
梅花は明葉に微笑んだ。
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