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梅花は明葉に視線を送った。……見た目以上に強力な淫魔ですね。……大丈夫、私はこの試練に打ち勝ってみせます。明葉は梅花にアイコンタクトで返事をした。
「では女の子どうし仲良くして下さいね」
梅花は明葉に微笑むとお堂を出て行った。
魔夢は座り直すと明葉の体に肩をぶつけて見せた。
「やっと二人きりになれたわね。お一つ」
「私、お酒飲めないの」
「さっきはリラックスのためって言ったわ」
魔夢はチョコを一つくわえると、口渡しで明葉に迫った。
「ま、まって、あなたが五個食べたら私が一つ食べるわ」
「本当に? じゃぁ食べる前に私のこと名前で呼んで」
「魔夢が五個食べたら、私が一つ食べるわ」
「ふふ、名前で呼ぶって素敵」
魔夢はそう言って明葉の首を指で撫でると、口のなかに箱のなかのチョコレートを流し込んだ。ふ~~~ん。ウィスキーのガスが大量に鼻から抜け出し、魔夢の目尻がトロンと下がる。
酒の回り始めた魔夢は気分が高揚しだしたのだろう明葉を蚊帳のなかに押し倒した。
「きゃぁ」
「まずは一個」
マウントを取られた明葉は魔夢に一粒のチョコレートを口のなかに押し込まれた。
「ありがとう」
明葉は一口食べるがアルコールの臭気が口のなかに充満し、一瞬にして目が回りそうになった。
「な、なにこれ……」
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