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明葉は慌てて蚊帳を飛び出ると湯呑につがれたお茶を一気に飲み干した。魔夢は咳き込む秋葉を見つめながら制服を脱ぎ始めた。
「本当に飲めないんだ。おろっ」
そう言いながら自身も体勢を崩し、布団の上へ倒れてしまった。
「にへへへ……」
魔夢は天井を見ながらスカートを脱ぐと、下着一枚の姿になった。
「変な部屋……」
お堂に蚊帳だ。普段は親戚が泊まりに来た時の宿泊施設になっているのだが、あまり聡明ではない魔夢は妖怪退治用に作られた部屋だと気づくことはなかった。
「明葉おいで、私、苦しくなってきちゃった」
それはイメージとかけ離れていた。淫魔の塊は酒を飲んで不能になるどころか、微笑みをたたえた大蛇がチロチロ舌を覗かせるような威容を見せていた。
「よっと」
魔夢は下着を下ろすと、大きな塊を空気に触れさせた。明葉はスカートのポケットに手を入れると大蛇殺のサイズを確認した。
……どう考えても大きさが違う。
横目で見つめてくる明葉を、魔夢は力尽くで蚊帳のなかに引き込んだ。
「さわってくれたら小さくなるかも」
明葉の腰を抱きかかえると、魔夢は大蛇の頭をそっとその手に触れさせた。
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