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「ふふふ、私、指輪は好きじゃないの。淫魔は浮気が仕事だから」
「やめて……」
「怯えた顔は悪魔の媚薬よ。私と結婚をしたいなら、忘れさせないことを証明しないとね」
魔夢は明葉にキスを迫った。
その時だ。
「ふわっ……」
やっとウィスキーが回り始めたのか、魔夢は明葉の胸のうえに倒れ込むと、そのまま眠り始めた。
「う~ん、むにゃむにゃ……」
「ちょっと、可愛い……」
……ち、違う、違う。明葉は淫魔の魔力に抗いながら、魔夢を傍らの布団のうえに寝かせた。そのまま、震える手を伸ばすと床に落とした大蛇殺を拾い上げた。
「やっぱり異界の魔物はお酒に弱いのね……」
明葉は魔夢を見下ろした。無防備な大きな胸に嫉妬をしながら、下着の外で自己主張をする大蛇に恐怖を感じた。
明葉の脳裏に梅花の言葉が蘇る。
「はっきりと言いましょう。明葉、あなたには退魔巫女になる才能がありません……。しかし、もし、あなたが本当に強くなりたいのならば、使い魔を手にいれる方法があります。明葉、長沢の血に懸け、力があることを証明するのです!」
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